「XやInstagramは頑張っているのに、作品がすぐ流れていく…」——私も長くそう感じてきました。
でもPinterestを“検索エンジン”として使い始めてから、「時間が経つほど伸びるピン」が生まれ、ブログやショップへの定常流入が増えました。Pinterestは拡散の瞬発力よりも、検索に強い“蓄積型”の可視化が持ち味。だからこそ、イラストのアーカイブと発見に相性が良いんです。
この記事では、私が実戦で積み上げてきたボード設計→ピンSEO→運用サイクルの順で、今日から真似できる手順を公開します。あわせてスパム回避や最新の画像仕様など2025年の前提も更新しておきます(推奨アスペクト比2:3=1000×1500px。Pinterest公式・ビジネスヘルプや主要ツールも同様に推奨。長すぎる縦長はカットされやすい)。
クリエイターがPinterestを真剣にやるべき理由(他のSNSとの決定的な違い)
Pinterest=ビジュアル検索エンジン。SNSというより、Google画像検索に近い存在です。アルゴリズムは**“新規ピン”と“ボード文脈”と“キーワード意図”**を重視する方向に進化しており、良いピンは年単位で流入を運んでくれます。
他SNSとの違い(私の実感)
- タイムラインに流されにくい:ピンは検索や関連表示から後日でも見つかる
- 長期で勝負できる:季節・テーマの“再浮上”が起きやすい
- 外部誘導に寛容:ブログ・ショップ・ポートフォリオへの送客設計がしやすい
- トレンド×検索の両輪:Pinterest Predictsの上昇キーワードを仕込むと露出が安定(例:季節色、画材、作風タグなどを先回りで整備)
つまりPinterestは、“今日のバズ”より“来月も来年も発見される導線”を作る場所。イラストの制作ログやメイキング、配色研究、グッズ化の導線まで、まとめて伸ばしやすいのが最大の魅力です。
アルゴリズムに愛される「最強ボード設計」の3ステップ
Pinterestでは**プロファイル(看板)<ボード(棚)<ピン(商品)の順で情報が整理されます。ボードの設計が弱いと、どれだけ良いピンでも迷子になりがち。2025年はボードの“意図の明確化”と“説明の充実”**が成否を左右します。
ステップ1:テーマを“検索語”で決める(ラベル設計)
- 例)「イラスト」では広すぎる → 「中性的キャラの配色」「水彩テクスチャ」「SNSアイコン構図」など検索されやすい具体ラベルに分解
- ボード名は“人間の言葉×検索語”で:
- 悪例:Artwork / Portfolio
- 改善:「中性的キャラクターの配色研究|イラスト tips」
- 重複テーマの統合や不要ボードのアーカイブで情報ノイズを削減(2025年の公式コミュニティでも推奨)
ステップ2:ボード説明に“意図・対象・成果物”を詰める
- ボード説明はタイトルの拡張フィールド。主要キーワードを自然文で追記し、どんなピンが増えていくかを予告する
- 例) 「中性的キャラの配色研究/冬の寒色・春のペールトーン・夜景ネオンなど季節別の配色パレットと塗りのコツをまとめるボード。CLIP STUDIO・Procreateでのカラーレシピや、肌色の作り方、色相の回し方も。」
(“配色”“季節”“CLIP STUDIO”など検索語を自然に散りばめる)
ステップ3:ボード→ピンの一貫性を守る
- “関係の薄いピン”は入れない。**ボード文脈(コンテクスト)**はランキング要因の一つ
- 人気ボードは上に並べる/古いテーマは整理して回遊性を高める(コミュニティ推奨)
私の失敗談:初期は「作品ぜんぶ突っ込みボード」を作ってしまい、伸びませんでした。検索意図ごとに棚を分けた瞬間、関連表示の質が激変。ボードは“検索入口”という意識が鍵です。
【実践編】ピンのテキスト最適化(SEO)で検索流入を爆発させる
PinterestのSEOはタイトル・説明・画像テキスト(オーバーレイ)・代替テキストの総合戦。2025年の公式クリエイター向けSEOガイドでも、自然な文章に“あとから”キーワードを散りばめる方針が示されています。
1)タイトル:人間の言葉 × コア語
- 例)
- 悪例:Color Palette
- 改善:「夜景に合うネオン配色5選|中性的キャラの肌色レシピ付き」
- 数字・用途・対象者を入れるとクリックが安定
- 被写体+テクニック+用途の三段構えが最強(例:「水彩風ブラシ/肌の影の塗り方/アイコン用」)
2)説明文:検索意図を“自然文”で満たす
- 「何が学べる?」「どんな人向け?」を一文で言い切る
- **同義語(系統語)**も散らし、AI検索(LLMO)側の理解を助ける
- 例) 「夜の街やサイバーパンク風のネオン配色を、イラスト初心者にも試しやすい2色・3色のカラーパレットでまとめました。中性的キャラクターの肌色づくりや、Procreateの発光ブレンドの使い方も。」
3)画像のテキストオーバーレイで“文脈”を補強
- 短い見出し(6〜10語)で“何が得られるか”を視覚的に説明
- 例)「ネオン配色5選|肌の影は青系で薄く」
- 2025年はテキストオーバーレイの有無がエンゲージメントに影響しやすいとされます。
4)代替テキスト(alt):視覚の説明+主要語
- “画像の中身”を素直に記述(例:「青〜紫のネオン配色で塗られた中性的キャラクターの上半身イラスト。発光レイヤーで髪に反射光」)
- キーワードの詰め込みはNG。可読性優先(公式ガイド方針)
5)画像仕様:縦長2:3=1000×1500pxが基本
- 標準:1000×1500px(2:3)
- 9:16は視認性が高いが、2:3以外は切り落としの可能性。まずは2:3で安定化を。
6)頻度と“新鮮さ”:フレッシュピン重視/リパブリッシュは間隔
- **新しいビジュアル(色・構図・テキスト違い)**で“フレッシュピン”を増やす
- 同一URLの再ピンは2〜7日空けるのが無難(運用ツール推奨)。量産より質。
私の体感:タイトルの一語(例:配色→カラーパレット)を変えただけで検索面の露出が動くことが多いです。人が自然に打つ語を想定して、検索バーのサジェストから拾うのが近道。
投稿を止めないための「ストック運用術」と具体的な成功サイクル
継続がPinterestの命。忙しいクリエイターでも続けられる、**“週1まとめ撮り→平日分散”**のストック運用を共有します。
私の基本サイクル(例)
- 週末に5〜8枚のピン素材を作る(作例:配色板、ラフ→完成の比較、ブラシTips)
- タイトル案を10本書いておき、キーワード差し替えでABテスト
- 説明文テンプレを用意(対象・得られること・ツール名)
- ボードを3段で使い分け
- 第1層:作品系(完成イラスト)
- 第2層:学習系(メイキング/配色)
- 第3層:導線系(グッズ・DL・ブログ記事)
- 公開直後の微調整(タイトルの語順・説明の冒頭語を1語変更/関連ボードにも追加)
- 週間レビュー:保存率・クリック率の高い語を抽出→次週のタイトルに反映
テンプレ(そのまま使える雛形)
- タイトル:「〇〇の配色5選|△△イラスト向け(Procreate対応)」
- 説明文:「△△の描き方を初心者向けにまとめました。配色/筆圧設定/発光レイヤーの3点で、“今すぐ試せる”手順です。CLIP STUDIOやProcreateでもOK。」
- オーバーレイ:「“配色×発光”の即効テク3つ」
- 代替テキスト:「淡い青〜紫の配色で塗られた中性的キャラクター。髪と頬にネオンの反射光」
伸びたら“派生”を出す(季節・モチーフ別)。フレッシュピンを増やしながら、同一URLの再ピンは間隔を空ける。
失敗談から学ぶ:避けるべきNG運用と規約の注意点
私のNG集(やりがち注意)
- ボード名が抽象的(Artwork/Portfolio/Diary)→検索に弱い
- 画像が横長(タイムラインでの“占有面積”が小さい)→縦2:3に統一を
- 説明が一言のみ(保存されても検索で再浮上しにくい)
- 再ピン連打(短時間の繰り返しはスパム認定リスク)→間隔とバリエーションで運用
スパム/コミュニティガイドライン
- Pinterestはスパム行為の削除を明示。低品質な大量投稿・誘導過多・繰り返しは避ける。健全な体験を損ねる行為はNG。
- 透明性の高い運用(説明の充実・テーマ適合・適切な頻度)が長期的に有利
- 2024年下期〜の透明性レポートでもポリシー順守の重要性が示される(広告・マーチャント含む)。
- プライバシー/検出の観点から、スパム・リスク行為の検知は強化傾向。無用な連投・コピペは避ける。
私は一時期、同一画像のテキストだけ差し替えたピンを一気に投下して露出が鈍化。数日単位の間隔とビジュアルの刷新で持ち直しました。
まとめ:今日から始める「ファンと仕事に繋がる」Pinterestロードマップ
① 初週(ゼロ→助走)
- ビジネスアカウント化/サイト認証
- 3〜5本の“検索語ベース”のボードを設計(タイトルと説明を作り込む)
- 2:3のテンプレ(1000×1500)を作成し、タイトル・説明・代替テキストの雛形も準備
② 2〜4週(運用の型づくり)
- 週5ピン目標:作品系2/学習系2/導線系1
- テキストオーバーレイと自然文SEOを徹底(語のABテスト)
- フレッシュピン優先、再ピンは2〜7日間隔で
③ 5〜8週(強化)
- 反応の良いキーワードを抽出→ボードの増設/再編
- Pinterest Predictsや季節語を先回りで投入(例:春配色・入学・新生活)
- 外部導線(記事・商品)を整備し、クリック後の体験を最適化
④ 継続(長期回収)
- 検索意図×文脈整合を守り、月次で棚卸し
- 露出が落ちたら“説明の追記・語の差し替え”で再浮上を狙う(アルゴの重視点:フレッシュ・ボード文脈・意図)
- 1サービス依存を避け、ブログ・メール・他SNSと分散(コミュニティでも推奨)
クリエイターの実感とエール(おわりに)
Pinterestは、「今この瞬間のバズ」ではなく「積み重なる導線」を作れる数少ない場所。
私が最初に手応えを感じたのは、配色研究のピンでした。2か月後に検索からの保存が増え、3か月後にはブログ記事へのクリックが安定。“読まれる資産”を作る手応えが確かにありました。
今日からできる一歩はシンプルです。
1)検索語で棚(ボード)を作る
2)2:3の縦ピンに自然文SEOをのせる
3)フレッシュピンを間隔を空けて増やす——。
地味ですが、これが一番強い。あなたのイラストは、Pinterestで時間とともに見つかるようになります。


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