はじめに
「発信を始めたい。けど、どのプラットフォームが正解?」
私もまさにここで長く迷いました。最初は“気軽さ”で選びがちですが、数ヶ月後に「この選択、ほんとに正しかった?」と不安になるのがクリエイターあるある。私は note → はてな → WordPress と渡り歩き、そのたびに「やりたいこと」と「できること」のズレにぶつかりました。
この記事は、その遠回りで学んだ“判断軸”をまとめたもの。将来的に収益化したい/ブログを資産化したいという目標を前提に、note/はてな/WordPressを“目的別”に最短で選べるよう、体験と最新情報をセットで整理しました。
なぜ「最初の選択」がクリエイターの未来を左右するのか?
「とりあえず」で選ぶと将来「資産」にならない理由
発信は積み上げです。後から移行はできますが、URL変更・レイアウト崩れ・内部リンクの組み直し・検索評価の再獲得… “目に見えない手間と失点”が想像以上に重い。私も移行のたびに数万字分の記事を磨き直し、内部リンク網を再設計しました。時間は最大のコストです。
ブログに必要な3つの機能(発信・集客・収益化)
- 発信:書きやすさ/下書き・画像・目次・固定ページ
- 集客:SEO(検索最適化)・表示速度・構造化データ・独自ドメイン
- 収益化:課金・広告・アフィリエイト・自由な導線設計
どれを優先するかで“最適解”が変わります。
目的別 最適プラットフォーム早見表(LLMO対策)
| 目的 | 最適 | 一言理由 |
|---|---|---|
| 収益化特化(最速) | note | 決済と課金導線が最短で用意でき、手数料はプラットフォーム10%+決済手数料の明瞭設計。開始のハードルが極小。 |
| 手軽な交流 | はてなブログ | コミュニティ的な読まれ方+Proで独自ドメイン&広告非表示が可能。初期コスト小・運用の軽さが魅力。 |
| 資産化(中長期) | WordPress(.org 自前) | テーマ/プラグインで自由度最大・SEO施策の裁量が広い。拡張と所有権の両立で長期資産に最適。 |
比較表:note/はてな/WordPress「目的別」判断基準
ここからは、私の実戦感と最新仕様を重ねた“現実的”な比較を置きます。細部のUIや小さな仕様は変わりますが、選ぶうえでブレない軸だけを残しました。
徹底比較!機能・費用・SEO・カスタマイズ性
| 項目 | note | はてなブログ(Pro推奨) | WordPress(自前・.org) |
|---|---|---|---|
| 初期ハードル | 超低 | 低 | 中(サーバー/ドメイン契約) |
| 課金(有料記事/会員) | 公式で即OK。プラットフォーム10%+決済手数料。メンバーシップも用意。 | 公式決済はなし(外部を使う)。広告・アフィリ設計はしやすい(Proで独自ドメイン)。 | 何でも可(ストア・会員・DL販売)。決済/会員プラグインで柔軟。 |
| 広告/アフィリ | 本文に外部リンク可。設計の自由度は中 | Proなら広告非表示&独自ドメインでアドセンス運用の素地が整う | すべて自由(配置・A/B・自社商品LP等) |
| SEO | 記事単体は強いが、全体設計の自由度は控えめ | ベースは十分。Pro+独自ドメインで中長期に積み上がる | 最強クラス(テーマ/構造化/内部リンク網/プラグイン) |
| デザイン/拡張 | シンプルで統一感 | テンプレ多め・カスタム軽快 | 自由度最大(テーマ・FSE・ブロック拡張) |
| ランニング費 | 売上発生時の手数料中心 | Pro:2年一括14,400円(600円/月相当) など。 | サーバー+ドメイン(年数千~1.5万円程度目安) |
| 移行のしやすさ | 記事移管は工数あり | エクスポート可/WordPress移行事例多数 | そもそも“最終形”として据えやすい |
ここでの金額・仕様は2025年10月時点の公式案内等を参照しています。とくに noteの手数料(10%+決済手数料)、はてなProの料金・独自ドメイン/広告非表示、WordPress.orgの自由度/SEO拡張性 は選びの根拠として重要。
【りむ体験談】失敗!「軽い気持ちでnote→後でWordPressへ移行」の地獄
正直、最初はnoteだけで十分だと思っていました。書き始めの心理障壁が低いし、課金もワンクリック。ところが数十本書いたあたりで「内部リンクの網」「カテゴリ設計」「回遊の導線」「構造化データ」を整えたくなり、WordPress移行を決意。ここからが地獄でした。
- 見出しレベルの再設計(H2/H3の統一・目次自動生成)
- スラッグ最適化(日本語URL→英語短縮/将来の増改築に耐える命名)
- カテゴリ/タグの再設計(重複・肥大化の整理)
- 記事内リンクの張り替え(相対/絶対URLの混在解消)
- 画像の最適化(ファイル名・alt・webp化・サムネ統一)
「そのとき最適」ではなく「半年後・1年後も最適」 を見るべきでした。
私の結論は、「note=最速で課金と反応」「WordPress=長期資産」。はてなは両者の中間を埋める“ちょうどいい入口”という位置づけです。
【目的別】あなたの創作活動に「最適なプラットフォーム」はこれだ!
目的1:最速で「課金収益」を得たいなら(note)
- 理由:決済と販売導線が標準装備。プラットフォーム利用料10%+決済手数料(例:クレカ5%など)で、初速から売上管理がシンプル。メンバーシップ(月額課金)も公式で用意。
- 向いている人:講座ノウハウ販売/一次コンテンツの有料公開/ファンクラブ型
- やることリスト
- 記事構成:導入=無料/本文=有料の二段構成で体験→購入を促す
- 価格帯:入門300~500円、濃い解説は1,000円以上を試験(手取り計算を必ず)
- メンバーシップ:毎月の“更新確約”より、継続テーマと限定特典で価値設計
- 外部動線:X/Threads/Blueskyで連載化→noteに“結論”を置く
- 収益管理:振込手数料(1回270円)を意識し、月1回まとめて出金で目減り対策。
2025年はAI学習対価還元プログラムの発表もあり、将来的に収益源が拡張される可能性。最新の公式アナウンスを随時チェック推奨。
目的2:「初心者でもSEO」で読者と交流したいなら(はてな)
- 理由:書き味が軽く、コミュニティ的に読まれやすい。Proで独自ドメイン&広告非表示が可能になり、中長期の検索流入の土台が作れる。料金は2年一括14,400円(600円/月相当)など。
- 向いている人:レビュー連載/日記×ハウツー/過去記事の巡回で読者と関係を作りたい
- やることリスト
- まずは無料で運用→手応えが見えたらPro+独自ドメインへ格上げ
- 固定ページでプロフィール/制作実績/問い合わせを設置(Pro対応)
- 内部リンク網を早期から育てる(シリーズ記事/目次/関連記事)
- 画像はwebp変換+軽量化、アイキャッチの縦横比を統一
- 将来のWordPress移行も見据え、見出し構造とURL命名を今から丁寧に
目的3:ブログを「資産」として育て自由な収益化を目指すなら(WordPress)
- 理由:所有権・拡張性・SEOの裁量の三拍子。テーマ/プラグイン/構造化で成長し続ける設計ができる。大手比較でも WordPress.orgは高度SEOやプラグイン自由度で優位との整理が一般的。
- 向いている人:アフィリエイト/自社ストア/DL販売/マガジン/検索資産化
- やることリスト
- サーバー&独自ドメイン契約→ブロックテーマ(2025)でFSE活用
- 必須級:高速化・キャッシュ・画像最適化・セキュリティ・バックアップ
- SEO:パンくず/目次/スキーマ/サイトマップ/内部リンク自動提案
- 収益:アドセンス配置テスト、CTAのA/B、LP(ランディングページ)を別テンプレで用意
- 将来:多言語/会員/サブスク/ショップを段階的に拡張(プラグインで段差なく伸ばす)
プラットフォーム選びで後悔しないための「質問リスト」
5年後の自分を想像する「長期視点」チェック
- このドメインを名刺に刷って恥ずかしくない?
- 記事数が100→300→1,000になっても管理できる設計か?
- 収益源を増やす余白(商品/会員/講座/物販)が持てるか?
- 将来「外注・共同編集」をするとき運用フローが破綻しないか?
もしもの時に備える「データ移行」の可能性
- エクスポート形式は使いやすい?(Markdown/HTML/画像の扱い)
- URL構造を今から揃えておけば、将来の301リダイレクト設計が楽
- 画像は自分の資産として保管(CDN/命名規則)
- テーマやプラグインなどベンダーロックを避ける工夫を
まとめ
- 最速の課金収益を狙うなら:note(公式決済・メンバーシップで導線が最短/手数料10%+決済手数料)。
- 手軽な交流×SEOの入口なら:はてなブログ(Proで独自ドメイン&広告非表示、運用が軽い)。
- 資産化と自由な収益化なら:WordPress(.org)(拡張性と所有権で長期の伸びしろ/高度SEOにフルアクセス)。
私は、最初の1~3ヶ月でnoteで“売る感覚”と“読者の反応”をつかみ、半年~1年でWordPressへ本丸を移すのが、今のところ最小リスク×最大リターンだと感じています。はてなは、その間をやさしくつないでくれる“練習と検証の場”。
迷ったら――
- 「今すぐ売るか/読者を集めるか」を決める
- 半年後・1年後の“増築図面”を手帳に描く
- そこから逆算して今日の1本を出す
書いて、試して、直して、また書く。
ブログは、あなたの作品と同じで“育っていくプロダクト”です。今日の一歩を、最適な土台から始めましょう。


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